いわきアリオスは、PFI事業として進められてきました
PFI事業とは、これまでの公共施設とは異なり、施設の設計、建設、そして管理運営を民間の資金やノウハウを活用して実施することです。 いわきアリオスの場合、この方式を採用した結果、かなりのメリットが生み出されています。
一つは、コスト(価格)面です。一般的な方法で施設整備を行った場合と比較すると、設計、建設、そして15年間の維持管理コストを含めて、およそ25%(約52億円)の縮減効果がもたらされています。 そしてもう一つは、サービス(内容)面です。公共施設を整備する場合、一般的には、設計は設計会社に、建設は建設会社に、管理は管理会社に、というように、業務の段階に応じて細切れに発注することになります。しかしPFI事業では、これらの会社が当初からコンソーシアム(連合体)を組むので、みんなで知恵を寄せ合って、トータルで物事を判断して、最適な方法を選択することが可能です。
いわきアリオスの場合は、発注者である市が事業者に選定されたコンソーシアム(PFI事業者=いわき文化交流パートナーズ)と何度も何度も打合せを重ね、プロセスを共有することができたので、とても良い施設に仕上がったといえます。
PFI事業の経過
PFI法に基づく特定事業の選定及び特定事業を実施する民間事業者(以下「事業者」という。)の選定を行うに当たって、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針」及び「PFI事業の実施プロセスに関するガイドライン」等にのっとり進めてきた経過のうち、主な事項を以下に掲載します。
- 実施方針(平成15年9月30日)
- 実施方針【PDF:259KB】
- 特定事業の選定(平成16年1月23日)
- 優先交渉権者の決定(平成16年8月25日)
- 特定事業契約の締結(平成16年12月21日)
- 特定事業契約の締結【PDF:11KB】
PFIなのに、なぜ「直営」?
いわきアリオスでは、このPFI方式の導入に当たって、一つの重大な決断をしました。
それは、施設の「運営」をPFI事業の枠から外し、市が「直営」で行うというスタイルをとったことです。なぜなら、この施設のミッションは、冒頭でも掲げているように、芸術の力、アーティストの力を借りて、いわきに、そしてここに住む人々に元気と勇気を与えることだからです。
運営に期待されるサービス水準が決まっていて、単に効率的、合理的なマネジメントのみが求められるのであれば、それをPFI事業に組み込んで、民間のノウハウで実施してもらうことも選択できたでしょう。しかし、いわきアリオスが真の意味で市民の生活に無くてはならない施設として機能するためには、時には「効率」よりも他の要素、つまり「お客様の笑顔」や「地域にもたらされる価値」を優先しなければなりません。もちろん、すぐに効果が現れるものばかりではないので、未来に夢を託しながら、長い目で少しづつ種蒔きをしていくことも必要です。
そのためには、やはり設置者である市が責任を持って運営していくことが大事だと考えます。
専門スタッフのパフォーマンスを最大限に
「直営の文化施設」。そこには、おそらく決まったイメージが付きまとっていることでしょう。
いわきでもしばしば利用者の皆様からお叱りを受けます。
しかし、「直営のいわきアリオス」は、そうしたイメージとはかけ離れたものになっているはずです。そのために、いくつかの工夫をしていますが、最も特徴的なのは、質の高い施設サービスや音楽・演劇のプロデュース、戦略的な広報やマーケティング、そして照明や音響設備の操作といった専門スタッフを、市の嘱託職員として採用している点です。さらに、市の正規職員を総務や施設管理セクションに配置し、直営ならではの行政的な事務・財務手続きにも配慮しながら、それぞれの専門性を効果的に組み合わせることによって、利用者の視点に立った新たな劇場運営のスタイルを追求し続けていこうとしています。

